04.お電話がありましたよ?



 お気に入りのドラマを観ていると、雰囲気もテンションもぶち壊して電話が鳴り始める。
いつまでコールを鳴らしてくるのだ。
早く出ろという催促を込めて修也と呼ぶが返事はなく、そういえば彼は今席を外していたと思い当たる。
は渋々立ち上がると電話台へと向かった。
まったく、どこのどいつだドラマの途中に電話をかけてくる奴は。
間違い電話や勧誘の電話だったら即行で着信拒否にしてやる。
は受話器を取り上げると、もしもしと口を開いた。




「はいもしもし・・・じゃなかった、豪炎寺です」



 どしゃーんと扉の辺りで物が落ちる音が聞こえ、は首だけ動かした。
何かに驚いたのか、リビングに戻ってきた豪炎寺が雑誌を手からごっそり落としている。
は口元に人差し指を当て静かにするよう注意すると、電話主と話し始めた。



「はい、はい、え? いいえさんじゃありません」

「そうですよ当たり前じゃないですか。こんな時間にクラスメイトの、しかも女の子をお家に上げるわけないですようふふふふ」




 は用件をメモすると、静かに受話器を置いた。
危なかった、うっかりクラスメイトの女友だちに正体がばれるところだった。
えーさんどうしてあんな時間に豪炎寺くんのお家にいたのきゃーなどと騒がれたくないのだ。
は豪炎寺の元へ歩み寄り、雑誌を一緒に拾い始めた。




「クラスの連絡網。来週の体育、先生が出張でいないから体操服いらないって」

「そうか。・・・

「何よ」

「今度から、うちにかかってきた電話が取らないか?」

「は? なんで、意味わかんないんだけど」

「さっきの数分間、すごく新鮮で嬉しかった」

「こっちは私だってばれやしないかドキドキだったのに修也、私のドキドキ冷や汗に笑ってたってか、ええ?」

「違う、そうじゃない」




 はいもしもし豪炎寺ですって、もう一度言ってくれないだろうか。
豪炎寺はぶつくさ文句を垂れているの口元をじっと見つめた。




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