お題・7
7.僕のわがまま、全部あなたに叶えられること



 抵抗した挙句、図らずも錬金釜に放り込まれた危ないビスチェが大変身した。
勝手に釜が作動したというか、以前ミーティア姫からもらった光のドレスの処置に困って釜に突っ込んでいたのだが、
それと絶妙に合致してしまったらしい。
きらびやかなドレスと、死んでも着用を拒みたい下着。
2着が合体すればどうなるのだろうか。
期待と不安と絶望感を露わにしていた夫婦が目にしたのは、世にも奇妙なビスチェだった。




「・・・これも私は着ないからね。大体、これに頼らなくても羽くらい出せるから」

「うーん・・・、ちょっと君には似合わない色だね・・・。それに脱がしにくそうだし、僕もこれならいらないや」




 大失敗だねと肩を落として言う夫に、満面の笑みで持って元気出してと励ます。
大失敗で良かった。
布面積が増えていて、彼の欲求をかき立てるようなものでなくて助かった。
後は夫の気が変わらないうちにとっとと処分しておくべきである。
ビスチェを残念そうに眺めている夫から取り上げると、玄関に立てかけてある竜神王の剣を振りかざした。
バチバチビリビリと雷撃が発生しビスチェに降り注ぐ。
よし、これで問題物質は消滅した。
ちょっとした強敵に勝利したような満足感が芽生えてきた。




「あーあ、これはやっぱり物に頼るなっていうお告げだったのかな」

「違うと思うよ、いや、絶対違う」

「む・・・。まぁ、あれが駄目でも次があるからいっか。今度こそ僕のお願い聞いてね」

「やだ」





 夫婦の、己の夢とプライドを賭けた戦いは終わらない。





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