※ネタバレあとがきなので、興味のない方や最終回まで読まれていない方は読み飛ばし下さい。



 イナGOの連載を始めて1年くらい経ったのかなと思っていましたが、実際は9ヶ月でした。
もうちょっと長くやっていたような気がするのですが、よくよく考えてみればホーリーロード戦はアニメでもそんなに話数がなかったのでこんなものなんだと書き終わって気付きました。
前作『フィールドの女神様』で終わらせた方がキリが良かったんじゃないかなと途中から思うようになったとか、そんな迷いが生じたのは終わってから言える独り言です。



 作品の作り方は前作と変わらないスタンスでやっていたのですが、余計な部分があったり、かと思ったらえらいすととんとすっ飛ばした部分があったりと、
かなりサクサクペースで進んだのがイナGO編でした。
神童さんが大好きな女の子は、初めはこの子をちょっと前面に出していこうかなと思って登場させてみました。
しかし蓋を開けてみれば前作で生まれた非常にアクの強いヒロインが大人になっても相変わらずのアイデンティティーの塊っぷりを見せつけてくれ、中学生にヒロインの座を渡しませんでした。
大人になったはずなのに大人げない。


 アニメに準拠しているのでアニメに出ないキャラクターは、たとえ前作でどんなに出張っていようと出ませんでした。
風丸さんとか本当に出したくて出したくてたまらなかったのに風丸さんが出たら多額のギャランティーが発生するのか最終回まで出てくれず、ゆえにこちらも劇場版(追加シナリオ)程度でしか
風丸さんと触れ合うことができませんでした。
半田などイナGOにはいなかった。
アニメの最終回で回想を含め、中学生時代の彼の面影を若干残しているような気がしないでもないけど結局のところオフィス街のどこにでもいそうなサラリーマンを見た時はほっとしました。
『よし、こいつを半田(仮定)にしよう』と。
実際彼が本当の半田なのかどうかは知る由もないのですが、あれはどう見ても『アメリカの彼』(松風談)ではないので同じ茶髪繋がりというだけで半田にしておこうと思います。
ダーリンは豪炎寺さんでもフィディオさんでもダークホース不動さんでももちろん半田や風丸さんでもなく、以前実施したアンケート結果では最下位だった(気がする)鬼道さんでした。
豪炎寺さんだと話が成立しない気がしました。
そもそも、豪炎寺さんがダーリンだったらその時点で聖帝はこの世に存在しません。
フィディオさんだと話が膨らみません。
不動さんもアニメに出ていないので話が以下略。
鬼道さんでした。
出番とか見た目とかそういうのではなくて、鬼道さんでした。
前作の第64話、『うーさぎうさぎ、誰見て笑う』の第2パートあたりからちょっとずつちょっとずつ鬼道さんフラグを出しながらーの前作の最終回、そして今作でした。
書いている人も知らないうちにフラグを立てていたようです。
男性は怪我や病気で弱っている時に異性から優しくされるところりと恋に落ちるそうですが、女性も案外そうなのかもしれません。
なんとなく、豪炎寺さんは弱っていることを許してくれない気がしました。
『こいつはいつもこうだからこの時もこうじゃないといけない!』と無意識のうちに思っていそうで、それではヒロインは任せられんわと親心が作動しました。
鬼道さんは豪炎寺さんよりも若干弱さに対して妥協や諦念めいたものを持っている気がしました。
弱いのは当たり前。人間だもの。
人の弱さを受け入れる心の広さをちゃんと見せてくれる、受け止めてくれる優しさがあるように思いながら書いていたようです。
いずれも主観にすぎませんが、どちらかのサッカーバカを選べと言われたら私なら鬼道さんを選びます。
たとえエンゲージリング代わりにゴーグルやメガネを贈られようと。




 イナGOはホーリーロードが終わった後はトリップ連載が始まったそうですが、私はトリップのアニメは観ていません。
私の中でのイナズマはホーリーロードで終わりです。
ちらちらっとトリップ編を見てみて思ったことは、イナズマの世界にはいくつものパラレルワールドがあって、きっとその中の1つにはヒロインが存在する世界もあるんだろうなということです。
アニメの世界が真世界だとしたら、ヒロインがいる世界はやがては真世界に吸い込まれて跡形もなく消えてしまう無数にあるパラレルワールドの中のひとつ。
そんなことを考えていたらちょっとだけヒロインが儚く思えてきました。
そういうことを考えるからです。




 それでは最後になりましたが、イナGO連載『ミネルバの羅針盤』を最後までお読みいただきありがとうございました!




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