おひさまサンドウィッチ




 前方を、見覚えのある2つの頭が歩いている。
1人は確実にわかる、あれは風丸だ。
青空に負けないくらいに澄んだ綺麗な青い髪を風に靡かせ颯爽と歩くのは、雷門中では風丸を置いて他にいない。
雷門中だけに留まらず、あそこまでかっこいい青い髪は風丸しかいないはずだ。
もう1人は、後姿もぱっとしないあたりから半田だろう。
一之瀬ならばもう少しスター性とオーラを感じる。
オーラもフェロモンもマイナスイオンも出していないあれは、ただの半田に決まっている。
はぱっと駆け出すと、風丸と半田の間に割り込んだ。
いきなりなんだよと叫ぶ半田と、おおか今日も元気だなと嬉しそうに声を上げる風丸の声が同時に耳に入ってくる。
は両腕をそれぞれの腕に絡めると、にっこりと笑みを浮かべた。





「両手にイケメンだ!」
「良かったな半田、イケメンだって俺たち」
「あ、間違えちゃった。片手にイケメン、もう片方にフツメンだった」
「どうせそんなことだろうってわかってたよ、ああわかってましたとも」
「やぁん、半田拗ねちゃった?」
「焼きもちかもしれないな、俺が取っちゃったから」





 拗ねてもねぇし焼きもちでもねぇよ!
己に都合良く、他人にとってはとことん気味悪く解釈する風丸とに向かって半田は声を荒げた。






「で、2人ともどこ行くの?」「便所」「え」「こら半田、嘘つかない」




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