え、なんでこんな番外編作ったのかって?
せっかく調べてメモったんだから、使わないともったいないでしょ。














Case××:  第2の人生も健康ライフで!
            ~楽しく学べる棒術入門~












 久々に実家に帰ると、意外な掘り出し物が見つかるものである。
はこの日、自室から紙の束を発見した。
懐かしさから中身をペラペラめくっていると、なんとも面白くなってきた。
私昔はすごいの書いてたじゃんと、自画自賛までする始末である。
はイザークやディアッカのリアクションを調べるため、この紙束をにこにこ笑顔でジュール家に持ち帰った。
ちなみのこの束、表紙には『棒術』と書かれている。
























ということで、ここからはおなじみ座談会ね。前置き長かったわねー、いつになく。


これって明らかに繋ぎの文章考えらんねぇからっていう、手抜きシリーズだよな。


いいじゃない、ディアッカは出番久々なんだからちゃんとポジション固めしないと。


そうなんだよなー、俺本編出てないもんなー。


そんなことどうでもいい。さっさと始めろ。























私の特技棒術は、人間が一番最初に手にした武器なのよ。
武術として体系化したのは、槍とか薙刀とかの後みたいだけど。



原始的だからな、素人でも予想はできたぞ。


でも扱いは案外難しいのよ。刃がない中で剣とか相手にするから、高度な技術がいるの。
ま、今の時代は銃相手だけどね。


棒術って人殺せんの? せいぜい気絶ぐらいか?


棒振るえばテロリスト1人は倒せたな。


殺傷力低いから、主に護身用なの。私も護身術として習ってたんだけど・・・。


いつの間にか攻撃型になっていたと。持ち主に似るんだな。


おい、それを自分の妻に言うか普通。


うーん、でもまぁリヴァイブはあれこれ武器つけてたし。
あ、そうそう、長さは6尺だから・・・180センチで、直径は8分で1,2センチね。
オーブの昔の単位は面倒ねぇ。


昔もだいぶ昔だぞ、その単位。

























次は構えの名前ね。つくづく私、勉強熱心だったのねー。


これ知ってれば、受身も取れるのか?


どうだろ、まぁ知らないよりもいいんじゃない?
まずは『提棒』(さげぼう)。片手で棒の中央を持って、体側に水平に構える。横に持つのね。


実演つきだとわかりやすいな。さすが


でしょー。『引摺棒』(ひきずりぼう)ってのは、棒先に近い先端を持って、棒尻を地面につける。


ただ持ってるって感じだな。の場合、こっから先が修羅だけど。


人を鬼みたいに言わないでよ。次は『杖構』ね。中央を持って体の前に垂直に立てる、と。
『中段構』は棒を両手で持って、棒先を敵に向けるの。
『担ぎ棒』はいわゆる天秤棒。こっからどうやって戦うのかは、孫悟空とか本職に聞いてってメモにある。


そのメモさ、作者のメモじゃね? だっては作中じゃ本職じゃん。


それもそうね。あ、棒術でも打ち合い(合)は、古来神秘的なものがあって、悪魔祓いになるって言われてたらしいよ。


それは俺も知っている。そのせいか、が嫁いできてから我が家に悪事は起きてないしな。


じゃあ、やっぱりただの伝承じゃないのかな。


それもあるかも知れないが、俺とが仲良くしているからだと考えた方が、良くはないか?


・・・うん!


なぁごめん、いちゃつくなら俺帰っていい? 俺まだ独身なんだけどさ。


























棒術と柔術はすっごく相性がいいの。柔術っていうのは近距離の時、相手を素手で取り押さえる武術ね。
私もこれ一緒に習ったっけー。


どおりで妙に白兵戦も強いわけだ。アカデミーでも結構成績良かったろ。


ううん、ナイフ戦嫌いだった。不思議よねー。


毎日素振りをしているのは、腕が衰えないようにか。


ご名答。素振りは絶対なの。早く上達するには、師匠に向かってひたすら打ち込むんだけど。


それ、もう無理な。


これからは私次第ってことね。よーし、ディアッカ外行きましょ!


俺かよ・・・。勘弁してくれよ。俺の趣味は優雅に日本舞踊なんだよ。


いいじゃないちょっとぐらい。ねぇイザーク?


ディアッカ・・・。棒術の後は仕事が待ってるからな。否やは聞かん。


久々の出番がこれかよ・・・。


















 その後、ディアッカはどうなったのか。
ぐったりと疲れ果てた顔でジュール家を後にしたあたり、おそらく徹底的に相手をしたのだろう。
しかし彼は知らない。
この適度をちょっぴり超えた運動が、かれからメタボリック症候群を遠ざけているということに。
彼がその事実に気付いた時ジュール夫妻に感謝するかどうかは・・・謎である。(たぶんしない)







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