2.裏腹な態度の裏の裏を読め
ツンデレという生き物は、つまるところ毎日がエイプリルフールなんだと思う。
思っていることと間逆のことを言って無駄に人を苛つかせる厄介な存在だ。
ということで、今日はツンデレの生態調査として、ツンデレ代表イギリスの言葉をすべて逆の意味で受け取ってみようと思う。
「ば・・・っ、な、なんで来やがったんだよ、こっちは忙しいってのに」
どうして来なかったんだよ、こっちは忙しくもなんともないんだぜ。
うむ、私に来てほしくてたまらなかったらしい。
素直にそう言えばいいのに言わないとは、イギリスは人生の半分以上を損していると思う。
「仕方ねぇなあ・・・。ほら、美味いもん食わせてやるから来い」
嬉しいなあ。ほら、この世のものとも思えないものすごく不味い食べ物を食べなくてもいいから来い。
なんだ、わかってるじゃないかイギリス。
今度からイギリスの真意のとおり、出された食事には手をつけないことにする。
「その、今日これから予定あんのか? べ、別にお前をあちこちエスコートしてやりたいって言ってんじゃないんだからな!」
「したくないならしなくていいよ、別に」
「な・・・! じゃあなんで来たんだよ!」
「イギリスの生態調査?」
全部の言葉逆に取ってあげるからねと言うと、イギリスが変な顔をする。
エイプリルフールは今日じゃないって、言われなくてもそのくらい私にもわかる。
「だってそっちの方がイギリスも本音言いやすいんじゃない?」
「人のこと何だと思ってんだ」
「ツンデレ」
「・・・俺、なんでこんな奴好きになったんだろ・・・」
ツンデレという生き物は、単純そうに見えて案外奥が深い。
そうか、本音がつまりデレなのか。
だとすると、どこまでがデレになるんだろう。
私のイギリス生態調査は、まだ終わりそうにない。
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