お題・3
3.似たもの同士の操縦方法



 ちょっとした、おそらく彼にとってはなんてことはないごくごく普通の動作が気に障って仕方がない時、
以前ならばこのモヤモヤをどうやって解消できるかライムに相談していた。
けれどもライムは心根が優しい人間でそこまで彼のことでストレスは溜めていないらしく、
3回相談するとうち2回は窘められるのが常だった。
そう、以前までは。




「母さん、バースがさ」

「バース君のさりげない自慢話を無視すると少し気分が良くなるわ」

「それは結構やってる。なんでだろ、見ると無性に腹立つ時あるんだよ」

「私は、どうしてそんなに相性が悪そうな人と今日まで旅ができたのか不思議だわ・・・」

「いい奴なんだろうけど、バースの何がいけないんだろ」




 こちらは何も悪いことをやっていないのだから、それでも苛々するのはバースに問題があるからに決まっている。
果たしてどこなのだろうか。
無駄に整った顔立ちか、あるいは無駄に強力な魔力か。
ひょっとしたら、絶賛ふられ中のこちらの気持ちを顧みることなくいつでもどこでもエルファといちゃついている
無神経さかもしれない。




「母さんも苦労してたんだな、あいつに・・・」

「ええ・・・。
 エルファにだって悪い虫がつく日が来るとは思っていたけれど、ついたのがどうしてあれなんだろうと何度思ったことか・・・」




 思い出したら苛々してきたから後で苛めてみましょうか。
母さんそれすごくいい考え。
リグとリゼルは顔を見合わせると、不敵な笑みを浮かべた。





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