8.欲張っちゃ駄目だよ
私が理想とする女性ですか?
難しい質問ですね、ですがこの陸伯言、答えられない質問はありませんよ!
そうですね、兵法書が読めるとかそういった意味ではなく、人として聡明な方が好きです。
一緒に火計をなすような方であれば言うことなしですが戦場には出てほしくないので、
やはり理解を示して下さるだけでいいです。
見た目ですか。
先に申し上げたように聡明な方であり、私を愛して下さっている方であればそれで充分です。
ま、まぁ私も一応男ですから、全く気にしないと言ったら嘘になりますが。
ですが、孫呉の女性は皆美しい方ばかりですよ!
家柄なんて気にしません。
むしろ、そればかり気にされている方とはお付き合いしたくありません。
私は、私の家ではなく私そのものを愛して下さる方しか愛せません。
あとは・・・、私は一度この女性が好きだと思ったら一途ですので、該当者となった方は覚悟して下さい☆
「・・・とまぁ、簡単に挙げればこんなところでしょうか」
「どこか簡潔なのかわからないよ軍師さん」
軍師さんはどんな女の子が好きなのと訊けばこれだ。
理想については何も思わない。
突っ込みを入れたくなる点もあるが、とりあえずは目を瞑っておく。
しかし・・・、ここまで具体的に挙げられると疑問に思ってしまう。
「軍師さんさ、今、好きな子いるんでしょ」
「・・・なぜ、でしょう?」
「具体的すぎるし、絶対に誰かを思い浮かべながら話してる」
陸遜の頬に小さな火が灯った。
軍師だの何だの言われているが、彼だって年頃の健全な男なのだ。
好きな女の1人や2人いてもおかしくはない。
「軍師さんに好かれてるのがどんなお嬢さんか気になるね」
「自室を突然火の海にしてしまうような、私に挑戦状叩きつけたとしか思えないお姫様ほどではありませんよ」
「・・・へぇ、知ってんだ?」
「焼き殺されるかと思いましたよ、まったく」
凌統は苦笑すると、ぶすくれた表情を浮かべている陸遜を見つめた。
「軍師さん軍師さん、お互いにいい子ができたら紹介しようよ」
「私は紹介される前に、まずは果し合いをしたいですね」
陸遜の心は、熱く燃え盛っていた。
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