7.告白履歴を告白します
大浴場に女の子2人きり。
会話が盛り上がらないわけがない。
普段は魔物と戦ってばかりの毎日だが、その実態は今をときめく恋する乙女だ。
ライムとエルファはだだっ広い湯船に一緒に浸かりながら、あれこれと話をしては笑い合っていた。
「ライムってほんとにモテモテだよね。今までどのくらいの人から告白とかされたの?」
「そんなにいないわよ・・・」
「そんなことないよ! リグからも聞いたよ。恋人たちの宝石の時、ライムすごく人気あるって」
「リグったらまた余計なことを・・・」
ライムは指を折り数え始めた。
初めて告白されたのは12歳の時だった。
あの頃はまだ付き合うということがよくわかっておらず、なかなか厳しい断り方をした気がする。
それからも何度かされ、旅に出てからはがくりと減ったが実家へ帰ると今でもラブレターが届いていたりする。
物好きな人がアリアハンには多いらしい。
「そうね・・・・・・。よく覚えてないかな」
「20人くらいはいるはずだってリグは言ってたよ」
「・・・じゃあそのくらいはいるんでしょうね・・・」
リグの奴、いくらアリアハンに娯楽が少ないからって人の恋路に土足で踏み入るとは何事だ。
プライバシーを侵害しているという感覚がないのかもしれない。
そろそろがつんと叱っておこう。
ライムは男湯の方でがやがやと騒いでいるリグを思い、眉根を寄せた。
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