05.愛情をあげましょう
ホイミやベホイミといった回復呪文は肉体にできた傷を癒すための呪文で、心にできた傷を癒すことはできない。
心が癒されたかどうかは人によって感じ方が違うが、少なくともバースはエルファの回復呪文に癒されていた。
さすがはネクロゴンド王国が誇る神官団員だと思う。
戦いに使うよりも本物の神官として、シスターとして働いた方が活躍できたのではないかと思ってしまう。
シスターになっていればおいそれと恋愛はできなくなるので、バースとしては結果オーライだったが。
「バース、顔色悪いけど久々のアレフガルドで疲れちゃった?」
「そんなことないけど・・・いや、ちょっと気疲れした、かも」
「そうなの? ホイミする? 気持ちだけでもリラックスできるかもしれないよ?」
「じゃあお言葉に甘えてお願いしようかな。ありがとうエルファ」
「どういたしまして。ふふっ、私の愛情効いた?」
「そりゃもうばっちりと」
光がないアレフガルドでもやっぱりエルファは輝いてるんだなあ。
だらしなく口元を緩めたバースの顔面に、これでも食っとけ色ボケ賢者画と暴言を吐いたリグが大量の薬草を押しつけた。
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