世界美味いもの行脚の旅 2
あぁそろそろ迎えが来る。
そう思いながらも私と日本さんは玄関で押し問答を繰り返していた。
タダで住まわせてくれてる彼にはいろいろと恩はあるが、こればっかりは納得できなかった。
同人誌作成のために私を追い出すって、そんなの知るか!
「今更隠さなくていいんですよ日本さん。
別に美少女ゲーム見ても同人誌見ても引きませんって!」
「いいえ、これだけはいけません。
それにあなたが旅に出るのだってそれなりの理由があるんですよ?」
「どんな理由ですか私が納得するように説明して下さい」
私がぐっと詰め寄ると、日本さんは一歩下がってぐっとこぶしを握った。
彼がこのポーズをするのは熱弁する時か歌う時だ。
今は前者だろう成り行き上。
「旅の道すがらであった様々な男性が1人の女性をどこまで愛して服従させるか、
選択し次第でマルチエンディングを楽しめるゲームを作るためです!」
「私をゲームのヒロインにしないで下さい、私をどうする気なんですか日本さん」
目の前の魔王が怖くて堪らず外へ逃げ出す。
この人やだーと叫びながら飛び出すと、ぼふっと何か温かい物体にぶつかった。
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