6.さようなら。おやすみなさい。またいつか
友だちがいない人ってのは、たいがいがウザったいらしい。
私の周り、日本さんや中国殿たちはなんだかんだで揉めつつも友達いるから、そこまでしつこくはない。
だから、より一層ウザったく感じてしまうのかもしれない。
何なんだ、このヨーロッパの島国は。
「な、な、お前もこいつらが見えるんだろ!?」
「・・・・・・」
「可愛いよな! こう、ふわふわもこっとしてて、手触りも良くってさ!」
「あ、もしもし日本さん? うん、あと10分くらいでそっち行けます」
イギリスには悪いが、私は暇じゃないんだ。
今すぐ美味しいもの食べて口の消毒をしたい。
いつだったかフランスが食材の甘味を壊してるって嘆いてたけど、あれは事実だった。
うっかり空の上の実家に帰るところだった。
「何だよ、もう帰るのか!? せっかくこれからユニコーン見せてやろうと思ったのに」
「さようならイギリス、またいつか見せてね」
「た、頼まれたら仕方ねーな!」
あぁちょろいちょろい。
わかりやすいツンデレって、こんなにも扱いやすかったんだ。
顔色変えたり挙動不審にもならずに無茶な要求してくる日本さんと一緒にいたら、イギリスの行動くらいお見通しだ。
「べ、別に帰って欲しくないわけじゃないんだが、外も暗くなってきたし泊まっては・・・」
「大丈夫だよイギリス。だって、この宮殿出た先には日本さん待ってるし。おやすみなさいイギリス、良い夢を」
特別イギリスのことが嫌いなわけではない。
私はただ、必要以上にうっとおしいものが苦手なだけなんだと思う。
イギリスのとこには、またいつか会いに行こう。
また今度行けるように、善処しよっと。
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