お題・3
08.死が二人を別つまで



 ああ、やっと会えたというのにもうお別れか。
お前はいつもそうやって笑って俺に別れを宣告する。
・・・実は俺、お前が泣いた顔まだ一度も見たことないんだ・・・。





「・・・ん・・・」

「あ、起きた? もう、リグまたザギされてたよ」

「んー・・・、あ。ミミックは?」

「倒したからお前起こしたの。ったく、いい加減ザギに耐性つけろよ、いつも気絶しやがって」

「ちゃんとインパス唱えるまで宝箱開けるの待てないの? いきなり倒れるからすごくびっくりするじゃない」




 リグはむくりと起き上がると、空っぽの宝箱を覗き込んだ。
金か武具が入っていると決め込み勢い良く箱を開けると、にっこり笑顔のミミックが現れた。
まずいと思い距離を取ろうとした直後、急に体が締め付けられる痛みに襲われた。
それから先はまったく記憶がない。
目を開けるとライムたちが自分を囲み座っている。
そのとき初めて、ザギを受けたと気付くのだ。
ミミックに出くわすたびに同じ思いをしていた。




「ザオラルって結構魔力使うからやめてね?」

「ごめんエルファ。時間かかったか?」

「今日は俺とエルファが1回ずつ唱えただけで済んだけど、やっぱりやめてくれ。
 命の石ポケットに詰めれるだけ詰め込んどけ」

「そんなこと言ったって、命の石ってどこにでも売ってるわけじゃないだろ。持てるんだったらいくらでも持ってるよ」

「命の石ってすごろく場の道具屋に売ってなかったかしら・・・」

「だったらすごろく場行こう。50個まとめ買いしようリグ」




 なんと不毛なすごろく場荒らしだ。
リグは渋々リレミトを唱えると、すごろく場へと向かうのだった。





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