3.「困った顔が見たかったの。」
「もしも私がバースじゃなくて、リグのことの方が大好きだったら、バースどうする?」
ある日、突然エルファから言われた衝撃的な言葉。
エルファの事が誰よりも好きなバースにとっては世界が破滅する事よりも大変な事で。
そんなこんなで彼はエルファからそう言われた時、反射的にかぶりを振っていた。
「そんなこと言うなよ。冗談だろ?な、エルファ?」
「どうだろうね。リグはすっごく優しいから。」
ついに本気にしてしまい、これ以上ないほどにテンションを下げてしまった様子の
バースに今度はエルファの方が慌てだした。
「ごめんね、バース。私、困った顔が見たかったの。
本当はリグよりもバースの事が大好きだから、ね、バース。
だからそんな顔しないで・・・。」
そんな事があった後、二人の仲はますます良くなっていったというのは、
勇者と戦士の証言である。
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