6.「どんな貴方も愛してる。」
いつの間に俺はこんな人になったんだろうか。
気が付くと、俺は俺の体ではなくなっていた。
自分でさえ戸惑ってるのに、リグ達が見たらどんなに驚く事か。
どうしようもなくなった俺の前に1人の少女が現れた。
彼女はよく見るとエルファだった。
はじめ彼女はやっぱり俺の姿を見てびっくりしていたが、それでもどこかの仕草か何かで俺だと気づいてくれたのだろうか。
そっと近づいてきて、恥ずかしそうに、
「・・・、どんな貴方も愛してる。」
と言ってくれた。
自分から好きとか言わない彼女が別人化した俺に向かって言ってくれるなんて。
ちょっと、いやかなり嬉しくなる。
「・・−ス、バース!」
耳元でまたエルファの声がした。
「俺も、エルファがどんな姿になったって、愛してる。」
「えぇぇぇっ!!?」
彼女の叫び声ではっと飛び起きるとそこは宿屋の一室。
・・・どうやら俺は夢を見ていたらしい。
だけど、俺はいつか現実でも彼女にそう言ってもらえるような人になるように、今日も旅をしている。
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