9.「イヤだなんて、言える訳無い。」
ラプソーンを倒し、世界に平和が戻ったある穏やかな日のこと。ここ、トロデーン城で大舞踏会が開かれる事になった。
何でもこの国の舞踏会は世界的にも結構有名だったそうで、各国の王侯貴族の社交の場でもあった。
この舞踏会に、も誘われたわけなのだが。彼女は踊った事など怪物にさそう踊りで無理やりさせられたとき以外ない。
「あ、あのね。私踊れないのにこんな所にいてもいいのかな・・・?」
彼女の相手はもちろんエイト。どうしても参加する事に渋る彼女にエイトは残念そうに尋ねた。
「は、そんなに踊るのが嫌いなの?僕はすごくと踊るの楽しみにしてたのに。」
そんな事を言われてまでは行きたくないなどと言えるはずがない。
「イヤだなんて、言える訳ない。だって、私も本当はエイトと一緒にいられるの楽しみにしてるんだもん。でも・・・。」
「僕がいるから大丈夫だよ。踊ろうなんて思わずに、楽しもうと思えばなんだって出来るよ、きっと。」
笑顔で言ったエイトの言葉は舞踏会の日、見事に的中したそうだ。
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