02.良くないフラグが立っている!
血の繋がった息子とは思えない素晴らしい才能を持つ子どもに恵まれたと思う。
幼くしてほとんどの呪文を覚え使い、精度をみるみる上げていく愛息2人を見ていると将来が楽しみで仕方がない。
ゆくゆくは2人で手を携え、賢者一族の長としてアレフガルドを知の面から導いてくれる。
千年に一度と呼ばれる類稀な力を持った者が同時代に2人もいるのだ。
今は魔王に侵略されつつある母なる大地アレフガルドだが、彼らが成長し今よりももっと力をつけた時になれば
必ず彼らが先頭に立ち魔王に立ち向かっている。
息子のように未来を読む力はないが父親として、また、賢者一族を束ねる長として、
彼はプローズとバース2人の息子たちの成長を楽しみにしていた。
「バース、お前はさっきからどこを見て話している。僕はこっちだ」
「あっ、兄上かと思ったらサティ!? 道理でさっきから何を話しかけても無口だったわけだ!」
「僕のモシャスは中身まで似せることはできない。人を変えるというのはそれだけ難しいことなのだ」
「サティは猫だから人にはなれないよ、兄上」
「それもそうか」
難しいが、人を変えることができるのは人だけだからな。
プローズに、少年バースは小首を傾げた。
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