7.ほんとは、ずっと。
「うらやましい・・・。」
エルファは隣を歩いているライムを見てぼそりと呟いた。
彼女が何をうらやましがっているのかと、ライムはエルファの方を向く。
「何がうらやましいの?」
「ライムは身長高くてすらっとしてて、おまけに美人でいいなぁって。」
彼女の言うとおり、ライムは恵まれた容姿をしている。
エルファは自分もそうなりたいと思っていたのだ。
年頃の娘なら誰しも1度は願うだろうが、実際はエルファは今のままで充分すぎるほどに可愛らしい。
「ねー、どうやったらそんなにきれいになれる? 私も剣とか持った方がいいのかな。」
「・・・激しくやめてほしいわ。そんな事エルファがやったら、
もれなく1人黙っちゃいない人出てくるから。」
身長ねぇ、と呟いてライムはエルファをてっぺんから足元まで眺めた。
彼女の背がもしも自分ぐらいあったら。
・・・それはそれであまり想像したくない。
人にはその人にふさわしい体型というものが存在するのだ。
「エルファは今のままが一番よ。リグを見下ろす位置から彼に話しかけたい?」
「・・・やだ。」
ライムとリグの身長差はおよそ2センチある。
元に戻る