04.継続的な痛み



 邪気があるのかないのかと言ったら、その言動自体にはないのだと思う。
あるのはただ好奇心だけで、けれども奴は己の好奇心がこちらを幾許か苦しめていることは理解しているの違いない。
あいつはそういう男だ。
ククールはねえねえと、教会にも連れて行こうとせず呪いに苦しみ続けているこちらを笑顔で見つめてくるを睨みつけた。




「呪いが楽しいわけないってことくらいもわかるだろ」

「どうかなあ。僕は呪いを受けないから想像とはちょっと違うかも」

「想像に任せるとして、きつかったろ」

「うーん・・・「きついんだよ、早く教会連れてけ」




 行きたいなら行っておいでよと事もなげには言うが、それができないから呪われているのだ。
行けるのならばすぐにでも解呪してもらっている。
動けないのだ。
ククールは自分にではなく呪いにしか関心を持たないに見切りをつけると、心優しい仲間の名を呼んだ。




「頼む、俺を教会まで連れて行ってくれ」

「それはいいけど・・・。でもククールの呪いって神父様に解けるのかな」

「シスターならできる!」

「難しいんじゃないかな・・・」

「おい待て、俺にかけられた呪いはそんなにやばいのか。のあれよりまずいのか」

「そう・・・、かも」





 術者を倒せば解けると思うんだけど、ククールの分身に釘打ち込むような人の心当たりってある?
だから、倒しに行こうにも動けないからそもそも無理なんだよ。
必死の訴えは、恨みつらみ妬みの感情を持ち合わせていないにはまったくピンとこなかったようだ。
頼みのにじゃあ無理だねときっぱりと断罪されたククールは、折ることもできない膝を心の中で折り地面に頽れた気分になった。




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