4.朝日と遅刻の因果関係
朝日が昇り、一番初めに目を覚ますのはバース、その次がライム。
2人が起き出して10分ほどして目覚めるのがエルファで、とことんまで眠り続けているのがリグ。
4人の朝は、冒険を始めた時からほとんど変わらない。
朝が苦手なのはリグの性質だ。
だからといって夜が特別強いわけでもないのだが。
「思うに、リグには吸血鬼の血が流れてると思う」
「ああそうかもね。そうでも思わないとやってられないしね」
「ライムまで何言ってんだ。俺は人間だって」
「いや、ネクロゴンド王家の先祖には吸血鬼くらいいたっておかしくないだろ、あの家は」
「ない話じゃなさそうなのが怖いわね・・・」
いつもなら『そんな下らない事ばっかり言ってないでさっさと支度しなさい』と窘めるライムまでもが、
バースの意見に同調している。
確かに朝が弱いという自覚はあったが、人を吸血鬼呼ばわりすることはないと思う。
回りくどくねちねちと苛めずに、はっきりずばんと早く起きろと言ってくれて一向に構わないのだ。
遠まわしに言われる方が傷つくのだ、ものすごく。
「バースとライムが早起きしすぎなんだよ。起きてもたもたせずに支度してんだから文句ないだろ」
「そりゃリグは身だしなみに頓着してないし、時間かける必要ないけどさ。なぁライム」
「そうね、リグは髪をぐしゃってするだけでいいもんね」
「目覚めの悪さから見た目の悪さに悪口変えたのか、2人とも」
悔しいが反論できない。
髪やら肌やらの手入れに忙しくするなとは言えないし、2人が言うとおり大した支度もしないのだから分が悪い。
「そんなんじゃいつか寝込み襲われるぞ。もうちょっと太陽と仲良くすること、いいな」
「・・・・・・」
リグと朝日の戦いはまだまだ続く。
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