あとがき
月華の三国無双の作品の中心は、凌統連載であると言って過言ではありません。
賈ク連載の冒頭に何を言い出すと思われるでしょうが、それが事実です。
作中で時折出てきた張遼関連のあの人は紛れもなく凌統連載のヒロインだし、当作品のヒロインは彼女に負けて失恋しているようですし。
月華の無双作品はもちろん個別にも読めますが、同じ時間軸のあちらこちらで繰り広げられているお話という感覚です。
賈ク連載の次があるのかどうかは置いておいても。
かつて、これほどまでにヒロインとその相手となる関係が最悪だったものは書いたことがありません。
すぐに殺すだの死なせたいだの死んでくれだの返り討ちだの、マイナスからの関係って後はプラスになるしかないのでネタバレ感すごいです。
ヒロインの王子様は見てくれはとにかく典韋(であり曹操でありその他将軍たち)であり、絶対的な存在だった彼を殺した相手は敵にしかなりえません。
書きながら賈クの加入時期間違ったと痛恨の失敗をしでかしたりしましたが、彼がいつ入っていようと関係はそう変わらないので問題ないことにしました。
初期でも2期でも3期でも、グループに入ってしまえば一括りにされるのが昨今のアイドル戦線です。
陰険で人を破滅させる策を企てることしかしない賈クが大嫌いで、正面から堂々と挑む張遼を好ましいと思っているヒロイン。
こいつ俺を嫌ってるなと見ただけでわかるある意味単純なヒロインに、どこか余裕を噛ましている賈ク。
仲良くなれる要素が微塵もありませんでした。
私が書く作品はどの作品ジャンルに置いても概ね甘くはならないのですが、私の塩成分の真骨頂が出た気がします(そんなことはない)。
ヒロインが賈クを殺したいのは、そうすることでこの世での自分の役割は終わったと自分に教えるためだったような気がします。
何をするでもできるわけでもないのに生き残ってしまったことが悔しくて辛くてもどかしくて、自分が今ここにいる理由を必死に考えて、
考えた結果が『大好きな典韋を殺した敵を撃って仇を取る』でした。
それさえできれば本当にもう、自分はいなくなってもいい。
元々いる必要などない何の戦力にもならない存在だから、自分だけで決めた夢さえ果たせれば後は何もいらない。
命すらも、大好きな人の元へいけるのであれば惜しくはない。
怖い発想です。
よく賈クもこんな子に耐えられたなと思います。
最終的には「俺を殺してもいい」とか「お前が殺しに来るまで俺も生き延びてやる」とか言っている辺り、彼女が治ったというよりも賈クが毒された気がします。
すごく怖い発想です。
続きとか書いてたらヤンデレになりそうな気がします。
赤壁の次は合肥というのが、冒頭に述べたように月華の三国無双連載の常道です。
続きません。
それでは、賈ク連載『けものの祈り』を最後までお読みいただきありがとうございました。
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