公主様の秘め事 あとがき



あとがき




 どうもゲームの中の凌統は甘寧を恨んでばっかりだったり、迂闊にも甘寧とばっかりいちゃついてるようにしか見えません。
私の凌統不思議フィルターがかかっているだけかもしれませんが、でもやはりそう見えてならないという哀しさ。
それから、やけに女慣れしてそうな泣きボクロのエロそうなお兄さんだな。
これが私の凌統の第一印象でした。



 秘め事というのは読んで字のごとく秘密、内緒ごとのことです。
ヒロインにとっての秘密は、戦争に行ってる父たちの目がないうちに凌統と逢っていたこと。
夏侯惇にばれてる感じがしないでもないですが、一体どれだけ目がいいんだ夏侯惇という夏侯惇超人説が浮かび上がってきました。
あんな許昌のどでかい宮殿にいたら絶対に抜け出せないと思いますが、ヒロイン頭は冴えてます。
さすがは乱世の姦雄の娘さん。血は争えないようです。



 恋愛メインのお話ですが、どう考えても姫君と敵将が簡単に結ばれるわけがありませんでした。
強引に攫うにしても追っ手が放たれるだろうし、下手したらそのまま殺されます。
愛を貫くことも確かに大切なことだと思います。
これを逃したら二度と手に入れることができないかもしれない愛を取るか、陥落の危機に晒されている都を守るか。
女でも男でも、誰もが悩む(かもしれない)究極の選択だと思います。
でも『俺と都とどっちが大切なわけ!?』とか訊けません。
それを聞いて望んだとおりの答えが返ってこなかった時、誰よりもショックを受けるのはおそらくは自分自身だから。
きっと凌統も聞きたくてたまらなかったと思います。
一緒になりたくて、強引にでも攫いたくて、でも互いの立場や背負うものを考えたらとてもそんな事訊けるわけがない。
彼女だって迷っていたんだ、これ以上なぜ苦しめなければならないのか。
好きな人が傷つき悩むのなんて見たくありません。
ましてや、悩む原因が自分だとしたら尚更。
だったら、悩むことをやめさせよう。
今は乱世、天下が定まっていない限り、きっとまたどこかの戦場で戦うはず。
その時果たしてヒロインが戦場にいるかどうかはわかりませんが、わずかな可能性と互いの絆を信じていずれ来るであろう『いつか』を待つ。
そういうの好きです、悲恋じゃないけど『また会おうね』みたいな。
はい、思いっきり私の好みです。
また会おうねもやりすぎれば死亡フラグ乱立の要素になっちゃいますが死なせません。
好きな人とまた逢って結ばれるまでは、死んでなんかいられません。
そんな奮起を凌統に促してみたりします。頑張れ、凌統!



 2人が本当の本当に結ばれるその日まで、公主の秘め事は秘め事のままです。
次の再会まで、いや、会えるかどうかも未定ですが、それまで誰にも悟らせません。
あちこちにばれてそうな凌統はともかく、絶対に知られちゃまずい公主の方は。




 それでは、凌統夢連載『公主様の秘め事』を最後までお読みいただきありがとうございました。



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