女狐の艶笑 あとがき



あとがき




 趙雲夢連載第3弾にして最終章でした。
いつまで経ってもびしっと男らしくできない趙雲によりにもよって降ってきたのが女難。
下手をすれば今までの関係をあっさりリセットするような話でしたが、かつてない以上に馬家の面々が大活躍したおかげで、皮肉にも2人の仲はより密となりました。
本来ならばもっとドロドロとした昼ドラ展開にしたかったのですが、そこまでやると確実にうちの短気なじゃじゃ馬姫はぶちきれるので自重です。



 趙雲は優しくて紳士的な男性なので、色々な女性に想いを寄せられていると思います。
そしてやや鈍感の気がある彼は、想われているということに気付いていないと思います。
そこも趙雲のいいところなんですが、わかっていないからこそ誰にでもいい顔をして恋人の嫉妬を買う。
趙雲の長所は同時に短所ともなりうる、使い方を間違えるとただの凶器なのです。



 今回は微妙にオリジナルのキャラを出していました。
あくまでもオリジナルなので多くの出番はありませんでしたし、実際楊丹は必要なかった気が今ではします。
最初の案ではもっと出張るはずだったんだけどね・・・、オリジナル出さなくても別に馬超と馬岱でいけるんじゃないかと・・・。
珠蓉も完全にオリジナルです。
趙雲が幼少期を過ごしていた村で一緒に遊んでいた、いわゆる幼なじみです。
子どもの他愛ないプロポーズめいたものを本気にしている、性格はややひねくれてはいますがベースはロマンチストでした。
ヤンデレともいうと思います。
珠蓉との絡みも、趙雲がもっとしっかりはっきりとした態度を取っていればこんなことにはならなかったんですが。やっぱりここでも趙雲の短所が火を噴きました。
主に短所としてしか活躍しない、趙雲の優しさと紳士的態度です。
珠蓉は曹操軍の密偵という役割でした。
生かしておく方向も考えていたのですが、生かした後の彼女がまったく想像つきませんでした。
闇の世界に生きる密偵にとって、表舞台で正体を暴かれるということは即ち役目の終焉を意味します。
仮に趙雲が手を下していなくても、プライドは高そうな珠蓉ならば自刃していたかも・・・。




 長らくお付き合いいただいた趙雲夢連載シリーズも、この作品で完結となります。
ラストは無事に結婚できたし、趙雲もなんとか求婚できたし、やっとうちの趙雲も世間一般の彼レベルの男前には達したかな・・・?
初めは前作をラストにしておこうと思ったのですが、今思って見ると『女狐の艶笑』まで書けてすっきりしています。
後日談めいたものは短編で補完するかもしれませんが。



 最後になりましたが、『女狐の艶笑』及び本シリーズを最後までお読みいただき、ありがとうございました。



分岐に戻る